マンション脱法ハウスの違法性

マンションの脱法ハウス(違法貸しルーム)の続報です。国土交通省と消防庁がそれぞれ違法性を指摘しています。

特に消防関連の法令は人命に関わることですので、安易な収益の追求などより優先されなければならないのは当然です。
また、国土交通省は、関係した建築士や業者の情報を自治体に集めるように指導するなど、今後拡大しないように対策を講じています。

7月13日の毎日新聞より(国土交通省の対応)

マンションの一室を「シェアハウス」などと称し狭小な空間に区分けして多人数が暮らす住居について、国土交通省は12日、「建築基準法違反の疑いがある」として、業界2団体に対し、加盟するマンション管理会社などへの指導と情報提供を求める文書を送付した。
(中略)
要請文は、こうした改築例について「窓などの開口部の面積」「間仕切り壁の防火構造」などの点で同法違反の疑いがあると指摘した。

通常、マンション管理組合が区分所有者から改築工事申請を受けた場合、管理実務を委託する管理会社に相談するケースが多い。
このため、同協会がこうした改築について「違法になる可能性がある」とアドバイスすることを加盟社に徹底するよう要請。
また、計画の内容、関与した建築士や建築業者の名前などの情報を自治体に知らせることも求めた。

7月14日の毎日新聞より(消防庁の見解)

東京都江戸川区のマンションの一室で浮上した「シェアハウス」改築計画が実行に移された場合、消防法令に抵触し、マンション全体が大規模な消防設備の導入を迫られる可能性の高いことが東京消防庁などへの取材で分かった
改築に伴い、持ち主か管理組合が数千万円規模の導入費用の負担を余儀なくされるとみられる。
同庁は「無届けで改築すれば結果的に消防法違反となるケースがあると知っておくべきだ」と指摘している。

このマンションは11階建て以上の高層で床面積も1万平方メートルを超えるが、全166戸が耐火構造の基準をクリアし、各戸の全居室から2方向に避難できる。
こうした構造が特例の要件を満たしているとして、自動火災報知設備や高層階の消火用スプリンクラー、屋内消火栓などの設置義務を免除されている。
(中略)
東京消防庁予防課によると、共同住宅で1戸の内部を極小の個室に切り分けて別々に貸すと、個室一つ一つを「1戸」と捉え直すことになる。
これらが全て要件を満たさないと、共同住宅全体が特例から外れることになり、江戸川区のマンションも「シェアハウス化」によって消防設備の設置義務が生じる可能性が高い。

しかも、延べ500平方メートル(都内は耐火構造でなければ200平方メートル)以上の共同住宅に必要な自動火災報知設備は、全ての部屋に感知器を設け、管理人室などに置いた受信機で集約する高額なシステム。
運営業者が取りつけるとしている簡便な火災警報器とは異なる。

【共同住宅の消防設備の特例】
各戸の構造や素材の特性などから火災が起きても燃え広がりにくいと判断された場合、共同住宅全体で通常必要な消防設備を免除する措置。
消防法施行令第32条で定めている。
判断基準は約10年ごとに見直され、免除の範囲は狭められている。
適用の範囲が広かった40年前までの高度経済成長期の物件は8~9割が特例を受け、最近でもかなりの割合のマンションに適用されているとみられる。

以上、毎日新聞より抜粋

ここでは、報道レベルの全体像の表現しか出来ませんし、法令の解釈などは専門家の判断に従うしかありませんが、この問題から、より広く問題意識を共有してゆけたらと思います。