耐震リフォーム/一部屋補強

耐震シェルターという考え方による耐震補強があります。

予算その他の制約がある場合、普段いる居室を補強し、潰れないシェルターとしてしまうものです。

家の内側に丈夫な箱を作るもので、全面的に工事しない分、費用は格段に安くなりますし、工期も短くて済みます。

地震発生時、ここに逃げ込めば安心です。何はともあれ、地震で死なないようにすること。

お年寄りの一人暮らしで、いまさら大きなお金を掛けられない場合とか、長屋のため単独で出来る耐震工事が限られている場合などには有効です。

但し、部屋が一回り小さくなります。

同じく部分的な耐震補強としては、京都大学防災研究所と大阪府木材連合会による、「壁柱工法」を用いた耐震性の向上の共同実験があります。

9cmの角材を9本縫いつけて壁とし、1階の6帖1室の4隅に計8組設置し梁で繋いだものです。

これにより、非補強時の最大耐力が27kNだった家屋が、補強後には最大耐力120kNと約4.5倍になったそうです。

ちなみに、120kN=120000N=120000kg・m/s2で、
重力加速度9.8m/s2で割ると、12245kgf≒12.2tfの質量になります。

非補強時の27kNだと、2.8tfの質量になります。

一般的な瓦屋根だと、5~10tfはありますし、2階部分の質量もありますから、非補強だと大きな地震には耐えられません。

重力加速度は980ガルで、一般的な震度と地震による加速度の関係は、
震度5は100ガル、震度6は300~400ガル、震度7は600~800ガルです。

よって、震度6では重力加速度の約1/3です。

ということは、震度6の場合、屋根と2階部分の外壁や木材などの質量を20tf=20000kgfとすると、

1/3×9.8m/s2×20000kgf=65333N=65kNとなります。

非補強時27kN < 震度6の65kN < 補強後120kN

途中が長くなりなしたが、1階の6帖1室の4隅を補強するだけで、震度7弱ぐらいまでの強度が出るとは。

もう少し丁寧に耐震壁を設けて、さらに屋根を軽くすれば、随分と安心になります。

さて、この「壁柱工法」は「耐震構法、耐震構造体および耐震家屋」として特許が成立しています。

特許のサイトから、どのようなものか見ることが出来ます。

「都市と防災」でも書きましたが、阪神淡路大震災の時には、老朽化した家屋に住む経済的な余裕のない若者が多く亡くなりました。

それも日本国として大きな損失ですが、今後ますます増えてゆく独居老人も地震時にはとても心配です。

建物が倒壊し、火災が発生し、大規模火災に発展して、逃げ遅れた人が巻き込まれてゆく、最悪のシナリオですが、住宅密集地ではその可能性はかなり高いといえるでしょう。